「飼い犬が脱走しないような門扉はありませんか?」
というリクエストを聞いた時にはとてもびっくりしました。
実際には存在しない事はないのですが、どちらかというと、門扉そのものよりも、その周囲に通り抜けられる空間があり、そこから出て行ってしまう事があり得るので、実際の施工では、門扉さえちゃんと閉めていれば、その周りにはワンちゃんが通り抜けられるスペースを作らないという施工をしました。
昔の農村ならまだしも、現在では、いくら郊外だからと言って放し飼いにはできません。
できるだけ自由にさせてあげたいと思うのは飼い主の自然な気持ちだと思います。
同時に、ワンちゃんの立場になると、外の世界はいつも新鮮だろうし、いつも興味があるので出て行きたい、となるのはこれまた自然な事でしょう。
小さい頃、私の家でも犬を飼っていました。
短い鎖で繋ぎっぱなしは可哀想だと、できるだけフェンスをちゃんとして、放し飼いにしている時期がありましたが、ちょくちょく脱走をしていきました。
こっちとしては結構頑張って絶対に出られないように工夫しているつもりだったのですが、どうしてもフェンスのほころびや植栽との間を見つけては脱走を繰り返しました。
こっちは「より自由に居られるように」と、放し飼いのフェンスを工夫し、犬のほうは犬のほうで「より自由を求めて」脱走する工夫をする、という「自由vs 自由」というわけのわからない構図になったので、その後は放し飼いはやめて、長く張ったワイヤーの間をスライドして移動できるように変えました。
当時に「飼い犬が脱走しない門扉」の施工が可能だと知ったら間違いなく注文していたでしょうね。